無敵の人を『覚悟』させないために

社会の側ができること

あらゆる犯罪に言えることだが、犯人が悪いと非難したところで相手の内心をどうこうできるわけじゃない。そんなもん事後の感想、はたまたどうかなったところで後の祭りなわけで、刑罰で溜飲を下げられないのなら、結局、社会の側が事前にどう対策をするかしかない。

 

法律上犯人が悪いのは分かり切ったことだが、『覚悟』されちゃったらどうしようもない。現状の法律は基本、事後にしか対処できないから『覚悟』しちゃった人に対しては抑止力は弱い。

 

逆に言うと覚悟させない仕組みみたいなのが必要なのだろう。

功利的に言ってしまうと、社会的に孤立させずに守るものを作らせる。(というか孤立しちゃった人って言葉は通じるけど、あっち側に行っちゃった人なわけでそもそも前提が変わってくる。結果、対話が成立しない。)

 

自由主義的にはコミュ障や陰キャが不幸になろうが知ったことかということなんだろうが、防犯的な意味合いではもうちょっとフォローしてあげたほうがよいのではないか?

 

昔はお見合いさせようとするおせっかいおばちゃんが多かったらしいけど、あれも社会の知恵の一つだったんかね。

 

 

自分は悪趣味ながら凶悪事件のwikiとか読むのが好きなんだが、事件自体よりも犯人の生い立ちに興味をもつ。もちろんどうしようもないサイコパスみたいなのもいるが、もう少し境遇が違えば防げたのかもなあという犯人も多い。だから低能先生にしたってどうしてこういう人間になったのかの方が気になる。親、学校、はたまた職場か。自分も今は家族があって一応警察の厄介にはなっていないが、一人だったらどうなっているかわからない・・・。俺がまともなわけではなく周りが『まとも』にさせているのだ。

 

まあ自分自身はリバタリアンなので原則放っておいてほしいが、子供の福祉的には成人するまでのフォローはもっと必要だろうし、成人後も単にハード面でのセーフティネットだけでなく、孤立しないためのメンタル面でのサポートや積極的な介入も不可能ではないのかと思う。

 

 

対面ではコストに限界あるだろうから、逆にネットのいい部分の可能性はまだあるように思う。今は具体的な策が思いつかんが、なんらかの施策ができる余地はあるように思う。民間企業と協力して今回の件のような危なっかしいのがいたらカウンセリングにつなげるとか・・・もっと積極的にパトロールするとかもあるだろうが他の自由権との兼ね合いが問題になるだろう。今思いつくのはそんぐらい。

 

(固い言い方をすると生存権のみならず精神的な福祉や自尊心といったものは社会が保障や介入をすべきかというのが今後大きな課題になってくるように思われる)

今回の件について雑感

最近の無差別殺人に比べれば、ある意味、低能先生はちょっとマシ*1な方で、ちゃんと予兆があって、それなりに煽られた上で自分の中で殺してもいいと思った奴を選んでやったわけだ。

ある日突然、無差別に無関係な人が殺されたということではなかった。

そういう意味で『こっち側』には少しばかりの猶予があった。何かできたのかなという気はしないでもない。

誰かになにかをやる義務があったかわけではないが、誰かがなにかをやる機会はあったわけである。

なすがままにしておけば向こうが向こうの理屈でこっちを断罪するだけだ。

 

だからはてなに関してはその余地が大きかったのかなと思う。シャドウバンや低能といったワードが引っかかればIDコールが飛ばないようにするような実装はできたはずだ。そうすれば無用なユーザー間の諍いや煽りも減らせたことだろう。

 

個人レベルでは触らぬ神に祟りなし、君子危うきに近寄らずである。ネットで四の五の言うのならリアルとは紐付けないぐらいだろうか。Hagex氏に関してはお気の毒とは思うけど、今まで人のトラブル楽しんできた罰があたったんでねーの?ぐらいにしか思えず、そんなに同情的にはなれない。やっぱ金につなげようとすると業が深いわ。

 

はてなもhagexエントリを0ブクマにも拘わらずトップに載せるアルゴリズム書く暇があれば、もうちょい対処してやりゃよかったのにね・・・金にならんことは後回しみたいな姿勢が透けててすかんわ(´・ω・`)

 

みんなも荒らされたら気分悪いだろうけど、もっとリアルの人間関係を大事にする機会だと思って少し距離を置いたりするのもいいのかもね。

 

 

「子供を殺してください」という親たち (新潮文庫)

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*1:こっちが対処する余地があるという意味でね